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2012年4月17日火曜日

獺祭。

PCに向かっていた母が「これなんて読むの?」と聞いてきたので、画面を覘いてみた。
すると「獺祭」という名前の酒粕。母はネット通販で酒粕を探していたようだ。
「らいまつり」かな?と思ったけれど、言葉erとしてはあいまいにしておけなかったので、さっそく調べてみた。

すると「獺祭=だっさい」と読むことが分かった。
こりゃ初耳。MS-IMEでもちゃんと一発変換できる。

「山口県岩国市の地酒。日本酒。日本最高峰の精米歩合を誇る。旭酒造株式会社が製造、販売している。」(はてなキーワード)

「獺祭」は日本酒の名前だということは分かった。母が見つけたのは、このお酒の酒粕。
でも、名前の由来は分からないまま。なので続けて調べてみる。


『晩唐の詩人・李商隠が、読書をする際書籍を部屋中に広げて読んで詩文を書いたことが、カワウソが獲物を広げた様に似ていることから生まれた言葉。』(同上)


へー。でも、紙を部屋中に散らかしていることがカワウソに似ているというのが分からない。
なので更に調べる。


すると、『獺祭=「獺祭魚」の略。かわうその祭り。(大辞林)
そして「獺祭魚」は、カワウソが捕った魚を川岸に並べることらしい。見たことないので分からないけれど、獲物を並べてキャッホーと喜んでるんだろう。
その様子を、人が祭りのときに物をお供えするのに見立てたものだそうだ。なるほどー。


で、李商隠という人は詩を作るときに参考書籍をカワウソの魚並べのように広げ、自ら雅号を「獺祭魚」としたそうな。だから獺祭=参考書を広げまくるという意味になったワケだ。
また、更に転じては詩文に多くの故事を引くことも意味するらしい。

正岡子規は獺祭書店主人と号したそうで、子規の忌日(9月19日)を「獺祭忌」と言うんですって。ブンガクの香も高い言葉なんだね。

2012年4月16日月曜日

為体。

読みは「ていたらく」。
「体たらく」という書き方の方がなじみのある人が多いと思う。
んで、たらくって何?  と思って調べてみた。

すると、大辞林によれば
『「体(てい)たり」のク語法。』だそうな。今度は「ク語法」がわからない。さらに調べてみる。

【ク語法】
『活用語の語尾に「く」が付いて、全体が名詞化される語法』だそうだ。
「願わくば」とか、「惜しむらくは」とかと同じものみたい。「願わくは」は、本来は「願はくは」と書くものだったようだ。でも「願わくは」の方しか見た事ない。


で、話は戻って「体たらく」。原意は「ようす、ありさま」の事だそうだ。
現代では「ったく、この体たらくだよ」というように、ネガな使われ方がメイン。ニュアンスとしては「このザマだ」って感じだろう。


なお、イラストレーターに「羽音たらく」という人がいる。ペン画で締まった黒の使い方をする人で、地力のしっかりした絵がぼくの好みに合う。
名前の由来がわからなくて、ずいぶん前に「たらく」で調べてみたけれど、意味はわからなかった。
「体たらく」の「たらく」と関係があるんだろうか。ちょっと気になる。

2012年4月9日月曜日

やおら。

先日、ある議員が国会の質問で「○○な人がやおらといるんですよ!」と熱弁していた。

その一瞬はスルーしたけれど、直後「んっ? ”やたら”じゃなくて”やおら”?」と引っかかり、調べてみた。


「やおら」は「徐ら」と書く。「徐ろ(おもむろ)に」と同じで「ゆっくりと、重々しく」という意味。書き文字も同じだ。

だから、冒頭の国会議員の語った内容だと、どうやっても意味が通らない。案の定、誤用だったことが分かった。

その議員の質問内容そのものはしごく真っ当なものだっただけにザンネン。言葉に間違いがあると、内容の信頼度まで下がってしまう。

使い慣れない言葉を使うには、このブログのように間違ってもあまり恥ずかしくない場所で前もって使ってみるのが望ましい。

2012年4月5日木曜日

事始め。

「新しい仕事にとりかかること。物事のはじまり」(大辞林)。



「事始め」とは、事を始めること。勝手に始まるのではなく、能動的な意志を含んでいます。


ぼくたちは日常のあらゆる場面でことばに触れます。

耳からだと、日常会話、呼び込み、アナウンス、街宣、テレビ、ストリーミング、etc….

眼からでは、新聞・雑誌、Webサイト、メール、twitter、SNS、etc….

このブログは、ぼくがそうした言葉に関して思ったこと、感じたこと、調べたこと、世の出来事など、何の制限もなく書き綴ります。


内容も、更新間隔も、何も決めごとはありません。まずは軽くご挨拶まで。